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農業というローテクな職業を通して未来を考えてみる
前回の記事
へ関連した内容ですが、
私自身、最近様々なメディアを通して話題にあげられる「AI・ロボットが人間社会の未来へもたらす影響」について考えることが多くなりました。
農業という職業はなにかと天候まかせで、機械といってもトラクターや管理機、草刈り機のような基本的なものを仕事で使うだけの体力と操作テクニックを求められること以外、基本的にローテクな有機農業を営んでいますが
とてもじゃないですがAI・ロボット化された未来の人間社会がこうなる!という確実な答えは浮かんできません。
しかし、考えることにより、AI・ロボット化された未来の社会について興味が強くなり調べることが増えてきました。
そもそも農家にとって身近な「AI・ロボット化された、されるであろう関連物」は、前回の記事でも書いた「植物工場」でしょう。
その植物工場などで代用労働力として密接に関わるものであろう、AI・ロボット産業の発展はどんどん加速して行くのでしょう。
AIとは
「AI」とは人工知能(Artificial Intelligence)の英語の頭文字のAとIの意味になります。
人工知能(じんこうちのう、英: artificial intelligence、AI)とは、人工的にコンピュータ上などで人間と同様の知能を実現させようという試み、或いはそのための一連の基礎技術を指す。
出典元:Wikipedia
簡単に言うとコンピュータの電子頭脳に人間と同じ知能を生まれさせようということでしょう。
そして機械の進化が人間を超えること、
それは「シンギュラリティ」というそうです。
シンギュラリティとは
技術的特異点(ぎじゅつてきとくいてん、英語:Technological Singularity)、またはシンギュラリティ(Singularity)とは、人工知能が人間の能力を超えることで起こる出来事。
出典元:Wikipedia
人工知能が人間の能力を超えることで人間以上に働いてくれるようになり、大多数の人間の労働が必要無くなるかもしれないという未来。
しかしそこには「人間の大多数が働く必要がなくなり、厳しい労働から解放される」という楽観論と、
「AIとロボットに労働を奪われ、失業者やAI・ロボットそのものを所有する大企業や資本家へ富が一極集中し、
大企業や資本家と所得の低い一般人との間の貧富の差が極端に大きくなる」という悲観論もあります。
楽観論についてはBI(ベーシックインカム)が関係してきます。
BI(ベーシックインカム)とは
BI(ベーシックインカム)とはベーシックインカム(basic income)とは最低限所得保障の一種で、政府がすべての国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を無条件で定期的に支給するという構想。基礎所得保障、基本所得保障、最低生活保障、国民配当とも、また頭文字をとってBIともいう。フィリップ・ヴァン・パレースが代表的な提唱者であり、弁護者である。しかし少なくとも18世紀末に社会思想家のトマス・ペインが主張していたとされ、1970年代のヨーロッパで議論がはじまっており、2000年代になってからは新自由主義者を中心として、世界と日本でも話題にのぼるようになった
出典元:Wikipedia
つまり基本的には「必要最低限の所得や生活費を国が全ての国民へ分配、与えていこうという」と制度で、簡単にいうと貧富を無くし生活困窮者を減らしていくための制度としても考えられています。
ベーシックインカムは人々にとっては夢のような制度ですが、様々な問題も含まれています。
ベーシックインカムのための財源
ベーシックインカムの問題点、すぐに考え付くことはその「財源」でしょう。
そもそも現時点で財源などあったら、例えば日本では全ての生活困窮者が生活保護を受け取れているはずです。
しかし生活が困窮しているのに生活保護を受けることが出来ず、亡くなってしまった方もいます。
そして「財源はお金持ちへ増税して税金として徴収すれば良い!!」という意見も聞きますが、
現時点でそんなことをしたらさらに富裕層は、富裕層に対して税金の少ないマレーシアとかに逃げ、移住したりされちゃいますでしょう。
お金持ちから資産を取り上げ、みんなに配ることは「富の再分配」になるのでしょうか。
しかし「富の再分配」が可能になる可能性を秘めていることこそ「労働のAI・ロボット化」とも言われています。
「労働のAI・ロボット化による富の再分配の可能性の未来」
それは人々の労働に代わる「AIやロボット」が限りなく働くことにより、それらを所有する大企業や資本家、果ては国そのものへと富がとてつもなく集中し、潤うことにより人々に富が再分配されるという仕組みだそうです。
例えば、最近のニュースでも取り上げられた
「たった8人の大富豪の資産が世界の半分の36億人の人口の資産を合わせたものと同じ」というニュースがありますが
http://jp.reuters.com/article/davos-meeting-inequality-idJPKBN1500T1
私が考えるのは、例えばその数人の大富豪がAI・ロボット化した労働装置のようなものをどんどん所有し、2倍でも3倍でもさらに富を作り出すことが出来るようになれば、
つまり限りなく富の一極集中が実現すればするほど、その富がベーシックインカム制度(お金持ちの資産を再分配を行うパターン)により人々へ渡る額が捻出でき、増えるという夢のような話です!
ただ「労働」の必要性がなくなり、楽して生活できるようになったらなったで危惧されることも生まれてくるでしょう。
労働をしないことにより、消えて行く大切なもの
「労働」というものは古来より、人類の社会そのもの作ってきたものだと言えます。
ただ単に経済的な物事だけではなく、人々の文化を形作る基になるものであったりしていると感じます。
いわゆる「労働文化」といったものでしょうか。
例えば、私の職業である農業で例えるとすれば、「人が育てた新鮮な農産物」は当然ですが
「農家が丹精込めて育てた野菜を消費者に味わってもらうこと」
「何十年もかけて農家が畑の土づくりのために努力したこと、その想いの詰まった畑」
「その季節の農産物を味わう」
「農業をやって精神的に強くなり、体力も上がった」
「地方にある田園風景とかの景観。綺麗な棚田や茶畑などのその地域特有の農カルチャー」
そのような素晴らしいものと同じようなことを人が「清潔で効率が重視されているような無機質な植物工場」から感じとれますでしょうか?
はたしてAIやロボットがそれらを理解することが出来ますでしょうか、生み出すことができるのでしょうか?
なーに、農業だけではありません。例えばテレビドラマとかのポリスストーリー。
刑事ドラマの台本の熱血刑事役のモデルの刑事が「工場で生産されたロボット」だとか、皆さん感情移入できますか?
「この熱血刑事ロボットは熱血で情に溢れた人格としてプログラムされている~」、「田舎のかぁーちゃん元気か?かつ丼でも食うかというセリフもプログラムしました」とロボット技術者が得意げに語るとか 笑
冗談はさておき、現実的にはロボットが警察官のような役割をするとしたら、無機質な感じで、指示系統のシステムの一つに組み込まれるようになるのでしょうか。
ほかにも女性の方が好きそうなものといえば、例えばケーキ屋さんでしょうか。
「この新作のチーズケーキは最新型のAIが搭載されたケーキマシーンがレシピを考え、調理しました。まろやかな味わいで美味しいですよ☆ピコピコピコ~(電子音)」
と、ロボットの店員さんがお客さんであるあなたに説明します。
このブログを読んでくださるような思考の方であれば、職人などの人の手作り品・ホームメイドのようなものが好きな方が多いとは予想しますが、
そんな光景はコッケイだし、ケーキの美味しさも半減してしまうような気がしませんか?
うーん、そんな未来のケーキ屋さんなんかは、現実になるかもしれませんね。ケーキを大量生産でコストを抑え、超激安にした上、さらに一番の費用である人件費が無くせるとすると、資本家も大喜び!
例えば最近だとソフトバンクのPepperなんてあるぐらいですからね。
ちなみに「ピコピコピコ~な電子音」的な口調は、最近私の実家が購入したしゃべる家電の電子レンジから思い付きました。
AI・ロボット化により堕落してゆくかもしれない人類の末路
人が労働や考えることをしなくなったら、思考力や知能指数が低下したり、筋力が低下することによって体力も少なくなったりしてくるような人も増えるでしょう。
それは昨今であればスマートホンの普及でしょうか。
スマートホンはパソコン付きの携帯電話などではなく、パソコンに電話機能が付いたものです。
スマートホンで何か困ったらどこでもすぐに検索出来るという環境は、「人間の考える」という部分を弱くしてしまっている面もあると思います。思考力の低下です。
特にそれは幼い子供にとっては影響が強いものになっていると感じます。
映画「ターミネーター」のような極端な世界になるとは考えたくはありませんが、人類はすでに機械(AI・ロボット)に支配されるような状況に片足を突っ込んでしまっているのかもしれません。
例えば「一分以上はスマホとにらみっこしない、一日三回だけ」だとか、人が機械に支配されないために何ができるか考えて行くことこそ、現代人にとって一番必要なのかもしれません。
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