就農地選び
私は農業を始める前、就農地選びにてどこが良いのかと漠然と考えていた時期がありました。
関東地方か、それともそれ以外の地方か北か南か東か西かなどと。
そこで最初はとある県を候補にと考えていましたが、実際に現地に見学に行き、
就農セミナーに参加してみたりしましたが、
そこでの新規就農においての障害に気付き新規就農は止めました。
その障害とは
1.天候、積雪量の多さによる障害
2.販路の開拓の困難さ
なんかです。
1つ目の理由は雪が積もるようなところに行ってしまってからの農業のイメージが自分自身にとって全くわかず、
関東より気温が低く、積雪による自然災害も多いだろうという理由で作物を栽培する自信がなく、
その地域に適応できるかどうか新規にとっては課題が多過ぎると考えたためでした。
2つ目は販売先を見つけることというのは大変なことであり、
そもそも人口が多く消費量も多い東京を中心とした首都圏にいるのに、わざわざそこから離れて行くことには意味がないと考えました。
消費量の多い東京・関東から離れた地域にわざわざ移住することは個人的にはもったいないなと感じました。
都心へ向けて野菜を出荷するであろうこともありますし。
つまり、私が選択した営農スタイルは「大都市圏近郊型農業」です。
就農地の決定
そこで生まれついた埼玉県を見直して、埼玉県内を就農地に決めました。
埼玉県では有機農業を学びたいと考えていたので、有機農業の研修先を見つけ2年間の研修を受けていました。
その研修期間中にいろいろと迷いましたが、前述の1、2の理由により決めることができました。
最初はその埼玉県の生まれついた地元の市が良いかと考えましたが、
市役所の農業振興課に足を運んでみても「土地はない」との一蹴り、門前払いでした。
そもそも農業振興課の担当の方の対応は悪く、やる気も微塵も感じられませんでした。
公務員としてのものなのか、現状が新規就農にとって良い状況でないからなのかはわかりませんが。
私の生まれた地元の市ではある農産品の特定1品目に関してはすごい力を入れていて、
地域の名産品としてそれを使用した農産加工品や外食業に取り入れられています。
なのでその1品目の栽培を行っている昔からある地元の慣行農家には活動しやすい環境なのですが、
新規就農で始めようとする人にとっては利権等で参入障壁になっているのかもしれません。
そもそも私はその品目をメインに栽培を考えてはいなかったのですが、
農業振興課からすれば新規の人は皆同じに見えるのでしょう。
そもそも都内を中心に大都市への通勤のベットタウンとしての地域も兼ねていて、
農業での地域の活性化による税制上の利益は考えられていないでしょうから、
これ以上の農家数の増加には税制上は力を入れる必要がなく、積極的な受け入れを行っていないので市役所での窓口での対応も素っ気なかったのでしょう。
そして思いついたのが、研修先の近くであった埼玉県比企郡嵐山町でした。
就農地を完全に決めた7つの理由
なぜ比企郡嵐山町に決めたかというと
1.役場の農業委員会や環境農政課の方々が親切であるため。
2.比企郡地域を管轄する農林振興センター(東松山市)の方々が親切であるため。
3.東武東上線上にあり都内へのアクセスが便利であるし、都内への販路も近く開拓しやすいため
4.研修を共にした新規農家仲間や先輩方がいるため
5.お世話になった研修先の近くであるため
6.研修中に既に紹介されていた販路があるため
7.使用できる農地の空き状況の確認がとれていたため
などです。
販路が最初からあることや使用できる空き農地の確認が出来ていることに越したこたはないと思いますが、
いくら自営業として一人で農業を始めるにしても、これらの理由の大部分を占めているように、
かけがえのない仲間や理解者・協力者が近くにいることが一番大切なことだと思います。
人間は一人では生きていけません。
農業というのは自然を相手に行う職業のため常に様々な情報が必要なので、他の農業者仲間の経験談や体験談などの情報が必要なのです。
例えば、、、
「ホウレンソウは一般的に防虫ネット被覆は必要ないのに自分の畑では去年被覆していなかった時にヨトウムシにやられてしまった」
だとか
「丸葉春菊は虫害に強いはずである普通の春菊と比べて虫の食害に遭い易い」
などの各々の畑の環境や地域での栽培経験が貴重な情報になるのです。
つまり、失敗談を聞くだけで勉強になりますしお互いの情報交換になるのでいわゆるWIN-WINになるのではと思います!
就農のために参考になる本の紹介
最後に私の新規就農に至るまでに参考とさせていただいた本と就農してから読み始めた本をご紹介したいと思います。
まず1冊目は「プロが教える農業の全てがわかる本」著者:八木宏典氏(東京農業大学国際情報学部教授)出版元:ナツメ社 です。
入門として私が農業を始める前に初めて手に取った本がこちらの本で、正に私にとってのバイブル!と言っても過言ではありません。
この本を読むまで農業の良さや大切さ、日本と世界の食糧事情など考えたこともありませんでした。
こちらの本では基礎的なことから、日本の実力派農家さんの紹介や日本の農業の歴史や、
近代の農業ビジネスの現場など写真やカラフルなグラフなどの図解を取り入れ分かりやすく説明しています。
入門として大まかに農業について知りたい方に大変オススメの本です!!
↓
2冊目は「転身リアル農家:等身大の新規就農」著者:天明伸浩氏 佐藤準二氏 発行元:新潟日報事業社 です。
新潟県上越市にてIターン就農をされた天明伸浩さんという方の本です。
雪深い新潟の限界集落にて就農されてからの日々について事細かく鮮明につづられているので読んでいると、その風景が鮮やかに浮かんできます!
内容は大まかに説明すると限界集落にて家族で日々農業と農的な暮らしに親しまれているということや、新規就農者へのアドバイスや励ます文章もあり、
読んでいると日々の農家として家族と共に苦楽を共にし愛に溢れた暮らしをされている感じがとても羨ましく感じられる内容です。
私が就農した場所とは違い、雪国であることや人口の少ないさらに田舎の集落ということを考えると一見大変そうに見えますが
家族で農業を営むだけでなく、物価や地価等もとても安い地域で農的な暮らしも楽しみたいという方にはピッタリの内容で大変参考になる本であると思います!
いつか、著者である天明伸浩さんが営む農場である星の谷ファームの見学に行ってみたいと考えています。
深い雪に囲まれない大都市近郊型農業の道を私は選びましたが、
この本を読んでいるとこのような営農スタイルの道もあったのだな、と羨ましく感じさせられてしまうおすすめの本です。
↓
以上関東近郊の少し田舎の町にて、新規就農した私の経緯と理由と経験でした☆
LEAVE A REPLY